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98/05/10s update
「出会いって」


先週の日曜日、某二丁目の飲み屋さんで、ちょびっとお酒を飲んで、いい気分にもなったことだし、さぁ、帰ろうと時計を見たところ、ナント!「終電が終っている」ではないですか!
(まあ、ここまでは良くある話だよね)

「ありゃりゃ〜。しょうがない。タクって帰るか・・・」と財布をのぞいたところ、ナント!「300円」しかないではないですか!!!!
「うっそぉぉ〜。まじでぇぇぇぇぇ」

虚しいオタケビをこだまさせつつ、トボトボと歩き始め、ちょうど半分ぐらいまで来た暗い道を歩いていたとき、

「あの〜、ちょっと聞きたいんですけど・・・・」

前から歩いてきた「とってもかっこいい若いお兄さん」が声をかけてきたのです。
(この時、午前2:10頃)

「ハァ、何でしょう?」ちょっと怯えつつ、応対してみると、
「○○○駅はどっちでしょうか?」
「へっ?!」
なぜ、こんな素っ頓狂な声をあげたのかというと、尋ねられた駅は、今そのお兄さんが歩いてきた方向だったからなのです。

「あの・・・・その駅は、こっちの方ですが・・・・・」
「えぇぇぇぇぇ!」大きく動揺するお兄さん。

しかし今頃駅へ行っても、電車もないし、どこか駅の近くの、他の場所に行きたいんだろうと思い、

「○○○駅の、どの辺に行きたいんですか?」と尋ねたところ、
「えっと×××通りの△△△交差点の辺なんですが・・・・」
「へっ?!、それは○○○駅の方じゃないですよ。全然違いますよ。」
「えぇぇぇぇぇ!」(この時、午前2:15頃)
「あのー、私、×××通りの方に家があるんで、途中まで一緒に行きましょうか?」
「あぁぁぁぁ・・・助かりますぅぅぅぅ」
(この時そのお兄さんはちょっと涙目になっていた)

道すがら、名前も知らない、初対面のお兄さんと、昔ばなしや、良く飲みに行く所の話やなんかを、ぽちぽちとしながら

「なんか、真夜中に変な出会いだよなー」
「ホント、人ってどんな所でどんな風に出会うのかなんて、誰にも予測ができないんだなー」


なんてことを考えておりました。

私の家も近くなり、お兄さんを「一人立ち」させなければならなくなりその先の道を説明してあげました。
(この時2:45頃)

「えっと、この道をずーっと行って、一つ目の信号を左斜めに入って、道なりに歩いて、突き当たりを左に行って、3つ目の交差点を左。そうすると、△△△交差点ですよ」
「・・・・・・・・・」
「弱ったなぁ・・・・送りましょうか?」
そう切り出した私の言葉をさえぎるように
「いや!大丈夫です!大丈夫です!がんばります!行ってみます!」
そう絶叫した「とってもかっこいい、若いお兄さん」は何度も何度も、頭をさげて
「ありがとうございました!」

と言いながら私が教えた道を、とりあえず歩き出して行きました。

大丈夫だったかなぁ。という不安を抱えつつ、私は残り少ない家路を歩き出したのです。
あのお兄さんが「とってもかわいい、若いおねえさん」だったらもっと良かったのに、という良くない考えをいだきつつ・・・。


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